「彼は、一体、誰なのでしょう?」

「マリアさん、彼は私達にテーマパークを提供してくれる方でしょう」

「それは、ないと思います」

「おや、マリアさんは楽しんでいたようにも見えましたよ?」

「驚いていたんです。それよりも、この霧の持ち主もすぐ傍にいますね」

「おやおや、マリアさんは鋭いですね」

先ほどよりも霧が晴れ渡っていますね。

「もう、彼女の方は大丈夫です」

マリアさんが更に仕込んだのかもしてませんね。

彼女もまた、テーマパークに相応しい方なのかもしれません。

「あんなところに裸体の女性がいますね」

裸では人を驚かせませんがね。

「彼女です」

「そうですか。それは感謝しなければなりませんね」

私達は近づいていきます。

「あんた、達、何をしたのよ、はくしゅん!」

「おや、風邪ですか、熱風を差し上げますよ」

「アンタ達には死んでもらうわ、ネロ!」

私達を魔法陣で囲まれます。

「電磁波の餌食になりなさい」

「おやおや、今、死地に行けば、特売日に間に合わなくなるじゃないですか。それはさすがに摩耶さんに怒られかねませんね」

魔力発散ナイフを相手の魔法陣が発動する前に作り出し、魔法陣を切り裂きます。

魔法陣は消えてしまいました。

「う、そ」

彼女も驚いているようですね。

私にもテーマパークの住人としての資格があるのかもしれません。

「さすがに、これ以上のテーマパークの出し物に付き合ってはいられないんですよね」

魔力発散ナイフを構えます。