マリアさんの名前どおり、偉大さが心身に伝わってきますよ

「しかし、湿っぽくなってきましたね」

いつの間にか、周囲は霧に包まれてます。

「これは、敵が近い、です」

「おやおや、早い到着ですね」

さて、霧で姿を隠すという方法ですか。

そういえば、最近は冷え込んできましたよね。

霧のおかげで、マリアさんも寒いのではないのでしょうか。

熱風さえあれば、皆さんもぽかぽかになるでしょう。

「このままでは」

「マリアさんが風邪を引かないように今は寒さを凌ごうかと思います」

「あの、そんな呑気な事を言ってる場合ではないと、思います」

「マリアさんは明日から仕事ですからね、ちゃんと周囲は温めておくのが風邪を引かない一歩だと思いますよ」

全てを一からのイメージで作り出したのは、熱風を送り出す大型扇風機です。

「マリアさん、これは電池式なのでコンセントを用いなくてもいいんですよ」

「もう、そこまできてます」

「おや、そうですが。ですが、スイッチを入れない事には温かくなりませんよね」

熱風が吹き出ると、霧の冷たさを中和していきます。

「春のような風が吹いてますねえ」

目前には紅い学ラン服を着た人が現れましたよ。

「おや、殺気立ってますねえ」

死地に送り込んでくれそうなくらいの殺気ですよ。

「スラーヴカ、作戦変更だ!」

「しかし、貴方も風邪を引いては困りますよね」

男性の困らないように大型扇風機を向けてあげます。

「ぐ!」

これで少しは温かくなるんじゃないでしょうか。

しかし、男性の方は転移陣を作り出してどこかへ転移してしまいましたよ。