「とても、危険な状態だよ。ジャスミン、どうしたの?」

「ああ」

俺は事情を話した。

「兄さんを、守ってくれたんだ」

「そうだな」

「ジャスミンが、生きててくれて、良かった」

ジャスミンの無事に安心して、涙する。

千鶴が妖魔に近い姿になっていないのは、ジャスミンとのシンクロが低いからだろうか。

「すまない。お前も悩んでいる時に」

「いいの。ジャスミンが無事でいてくれるなら、私、何だってする」

「そうか」

ジャスミンは再び体を失ってしまった。

俺を助けるために。

何故、俺を助けたのか。

自分よりも俺が必要だと思ったのか。

「ジャスミン、千鶴、ありがとう」

俺は座り込む。

「今日は、ここにいてもいいか?」

「大体、考えもまとまったから、いいよ」

笑顔を見せた後に、千鶴は床に就いた。

向こう側の人たちの事も気になったが、今はジャスミンや千鶴の傍にいたかった。

俺は寝る事なく、明日の事を考える。

ついに、決戦の日が来てしまう。

恐怖がないわけではない。

しかし、使命感が強かった。

俺は、超えるべき壁を超えるときが来たのだ。