「しかし、特売日は人の活気を感じずにはいられませんね」

楽しい行事として行われる特売日は、死地を感じてしまいます。

あれだけの殺気を解き放つ世界は、他では中々見られませんね。

今日は、摩耶さんはバイトなので私とマリアさんとで特売日を攻略するために出かけています。

摩耶さんが涙を流しながら、休日のマリアさんにメモを渡していました。

それだけ特売日の魅力に引き寄せられているといってもいいのでしょう。

「私としては、こんなにも胸躍る展開が毎回用意されているとは思いもしませんね。マリアさんは特売日が好きですか?」

「特売日というものが、どれほどのものなのかは分かりません。でも、赤城さんを見ていると、とても楽しそうなものだと思えます」

前もってメモを確認してるところ、マリアさんのやる気は冬の蟻さんよりも高いといえるでしょう。

しかし、特売日というのに人が歩いていませんね。

すでにお店の中で戦闘が始まっているのでしょうか。

「赤城さん、街中に魔力を感じます」

マリアさんの顔が険しくなりましたね。

士気が高まってきたのでしょうか。

「そこまでマリアさんのやる気が高まっているとは思いもしなかったですね。これは新たなる連携を組む必要があるかもしれませんよ」

摩耶さんとの連携の他に、マリアさん独自の攻略方法を考えなければなりません。

「あの、そういう事ではなくて、あなたや私を殺しに来る方達が現れるかもしれないんです」

「おやおや、それは素晴らしい休日になるかもしれませんね」

まさか、屋内の戦いが屋外の広い場所の戦闘になるとは思いもしませんでしたね。

「私はあまり戦いはして欲しくないです。摩耶さんが悲しみます」

「摩耶さんの心の病の心配までしてくれるのは、マリアさんの心の広さを伺えますね」