「ごちそうさま」

トレーの上の食事は全てなくなっている。

「さてと、仕事もちゃんとしないとね」

二人は立ち上がる。

「ネロ、さっき呪符貼り付けてたでしょ?」

「葉桜丞に関係する者の気配は、二つある」

「じゃ、願い事を叶えるために、死んでもらいましょうかね」

殺しをものともしないような口調で、冷静に外を見つめる。

「男?女?」

「両方だ」

「強いかな?」

「体格ともに中肉中背、女もそこまで強くはないはずだ」

トレーを置いて、外へと出た。

「ま、ちゃっちゃと片付けるからちゃんと合わせなさいよ」

スラーヴカの体から霧が吹き出る。

一瞬にして街中は霧に包まれた世界へと変化した。

『場所は理解した』

霧の中からスラーヴカの声が聞こえてくる。

『私はサポートに回るから、ネロはアタッカー、OK?』

「OKだ。さっさと決めるぞ」

霧の中をスラーヴカのサポートによって、敵に近づいていく。

距離を詰めていく最中、姿を現し始めた。

そこにいるのは黒いスーツの男。

アカ・マナフだった。