妖魔06~晴嵐~

ラインは決して味方というわけではない。

もし、イヴァンが望めば、手を貸す方向になるのだろうか。

「彼は誰とも手を組まない」

「下についてる奴らとは?」

「自分の都合のいいように操っているだけだよ」

裂け目から出てきたのはラインだけではなく、久々に見たナンバー01もいる。

「ナンバー01、彼をスキャニングしたまえ」

「はい」

俺を凝視しているようだ。

相変わらず無表情のままだが、感情はあるのだろう。

今のままだと紅玉と良い勝負だ。

紅玉もどちらかといえば、無表情が多い。

「彼には、不明な点が多いです」

「君の存在はカオスであるというわけかね」

「カオスだ?」

「本来ならば、この世に存在してはならない存在さ。世界を歪めるほどの現象が起こってもおかしくはない」

「奇跡って奴か」

「良く言えば奇跡。悪く言えば天災だよ」

「ライン、あんたはどうなんだよ?」

俺以上に存在が不明だ。

「私は君よりも存在は明確にしている」

「オーバーテクノロジーを持ち出すような輩がか?」

ロベリア達の時代には、手術台などの技術はなかった。

明らかに時代にそぐわぬ様なテクノロジーを、ラインが持ち出したのだ。

「私は彼らよりも脳が進んでいただけに過ぎない」

嘘だな。

ラインは俺達よりも次元が上の存在だ。

それは、今までの行動からして分る。