妖魔06~晴嵐~

「出来るかどうか、それは分らねえが」

俺は周囲にいる妖魔達をチラ見する。

ロベリアは微笑み、ジャスミンはそっぽを向き、クルトは睨み付け、龍姫は鼻息を荒くしながら俺に飛びつこうとしており、紅玉は後ろでそれを止めている。

「やるしかねえだろ?」

「そうね」

そして、子鉄は目を閉じ、微笑む。

「明日まで時間もそんなにないな」

「あんたの寿命?」

「そうさ。それまでに、やるべき事をやる」

「手伝うわ」

「本当か?」

「え?手数料三千円?」

「リアルな数字すぎるだろ!」

久々に突っ込みを入れたくなった。

「さて、行くか」

ロベリアが後ろからついてくる。

「来るか?」

うなづく。

それを見て、ジャスミンの表情が鋭くなるのが見て取れる。

「丞ちゃん、これからどうするのじゃ?」

「とりあえず、ラインを探す。あいつなら何かすげえ物を作りそうだ」

「そうかね?」

ラインが時空の裂け目を割って入ってくる。

「お前と龍姫は、何でもありだな」

「条件を満たした行動を取っているだけだがね」

一人笑う。

「君は何を望む?」

「一つ気になった事があるんだがな。お前は人の望みをかなえる際に、代償などはもらわないのか?」

「私は欲望の結末が気になるだけなのだよ。それが、どう転んだとしても、私にとっては結果が代償だといっておこうか」