俺は子鉄と対面に座り、いきさつを全て話した。
子鉄が記憶を失う前の事も全てだ。
何時間が経ったのかは分らない。
信じているのかも分らないが、子鉄はずっと聞いていた。
「そう」
感情を見せないところが、少し怖くもあった。
「通りで、既視感があったわけね」
記憶がなくとも、記録と感覚だけが残る能力だったからな。
能力的にはかなり中途半端だったんだ。
「以前の世界での丞ちゃんはアタシを裏切ったってところ、か」
「そうだ」
「それに関してとやかくは言わないわ。ただ、何で話してくれなかったの?」
「今いる知り合いで、何とかしようとしていた」
「アタシが役に立たないと、思った?」
「子鉄は強い。以前の世界の子鉄よりもずっとな。信用も出来ると思う。でも、心のどこかで怖かったんだ。二度も子鉄を失う事が」
あの時、俺はチェリーを抱えて逃げた。
もし逃げなければ、今に至ることは出来なかったけどな。
「そう」
子鉄がため息をつく。
「ここまで来るのが、遅いわよ」
力強いデコピンが俺の額を捉えた。
しかし、痛みはない。
「本当に、丞ちゃんは死んでる状態なのね」
「後戻りは出来ないような体だな」
「いたぶりがいがないわ」
「いたぶる必要なんかないだろ」
「今までのアンタの行動のツケを払わせようと思ったんだけどね」
「そういわれると、すまない」
「謝ることが全てじゃないのよ」
子鉄が記憶を失う前の事も全てだ。
何時間が経ったのかは分らない。
信じているのかも分らないが、子鉄はずっと聞いていた。
「そう」
感情を見せないところが、少し怖くもあった。
「通りで、既視感があったわけね」
記憶がなくとも、記録と感覚だけが残る能力だったからな。
能力的にはかなり中途半端だったんだ。
「以前の世界での丞ちゃんはアタシを裏切ったってところ、か」
「そうだ」
「それに関してとやかくは言わないわ。ただ、何で話してくれなかったの?」
「今いる知り合いで、何とかしようとしていた」
「アタシが役に立たないと、思った?」
「子鉄は強い。以前の世界の子鉄よりもずっとな。信用も出来ると思う。でも、心のどこかで怖かったんだ。二度も子鉄を失う事が」
あの時、俺はチェリーを抱えて逃げた。
もし逃げなければ、今に至ることは出来なかったけどな。
「そう」
子鉄がため息をつく。
「ここまで来るのが、遅いわよ」
力強いデコピンが俺の額を捉えた。
しかし、痛みはない。
「本当に、丞ちゃんは死んでる状態なのね」
「後戻りは出来ないような体だな」
「いたぶりがいがないわ」
「いたぶる必要なんかないだろ」
「今までのアンタの行動のツケを払わせようと思ったんだけどね」
「そういわれると、すまない」
「謝ることが全てじゃないのよ」

