執事と共に日常を。

「まだ、悲しいって気持が麻痺してるみたいだ」

「けど、一生抱えていくつもりはないんでしょう?」


「もちろんだ……彼女を、受け止めたい」


街で似たような人とすれ違うたびに途方もない悲しみに暮れるのではなく、彼女との温かな思い出を追憶して微笑むことができるようになりたい――


切実な、祈りにも似た願いだった。