執事と共に日常を。

「さ、お休みの前に、お薬の時間です」


恵理夜は、眉をひそめた。


「そんな顔をなさらないで……」


そういいながら、春樹はよどみない動きで薬を並べていく。

恵理夜と、春樹の二人分が並べられる。


――病は違えど、二人は薬によって命を支えている。


「ご自分で、できますね」


春樹は、飲み終えるまで決して目を離さない。

恵理夜は仕方なく、錠剤を口に含み水で流し込んだ。

わずかにこぼれた水も、彼の手により拭い取られていく。