執事と共に日常を。

悲しみを隠して、震えているだけの自分。

泣くことはせずに、こうして彷徨うだけの自分。

抜け殻のような状態から抜け出せない自分を、彼女はどう思うだろうか。


「悲しみを分割して、一生、受け止めずに抱えながら生きるのって、どうなのかしら」


心を、えぐる様な一言だった。

あまりの痛みに、胸に空いていた穴から血が出ているように感じるほどだ。