執事と共に日常を。

「貴方は、ちゃんと泣き叫んだかしら。ちゃんと、彼女の死を悲しんだかしら」


ユウヤは、はた、と止まった。


「……悲しむのは、良くないことだと思った。彼女も喜ばないと」

「でも、悲しまないのも不自然だし、何より少し薄情な感じがしないかしら」

「彼女の死で、悲しいのは一人じゃない」

「そうね。でも、貴方が悲しくない理由にはならないんじゃない」