恵理夜の呼吸を邪魔しないように、あくまで優しく春樹はその頭を包み込んだ。

庇護するための、それ以上でもそれ以下でもない行為。

恵理夜は、その額に自分の額を押し付けて目を閉じた。


「おやすみなさい……よい夢を」


深い声色を聞きながら、悪夢のない眠りに落ちていった。