執事と共に日常を。

「さあ、そろそろお休みになりませんと」


そう言って額を撫でられて目を閉じる。


「電気を消しますよ」


消灯がなされる。

今日、自分たちを飲み込み損ねた冷たいものとは違う、温かな闇が訪れる。

何も言わずとも、春樹は恵理夜のそばにいた。

恵理夜は、なんとなく悪いな、と罪悪感を感じた目線を送ったが、春樹は悠然と構えている。

むしろ、自分がそうしたいからそこにいる、というようだった。