「君はあぶなっかしくてみてられないね」


「えっ?」



蒼騎くんはあたしのおでこにキスをした。



あたしはビックリして手から消毒液を落としてしまった。



蒼騎君はクスクス笑ってその消毒液を拾って、


あたしの膝を手当てしてくれた。



ドキドキが止まらない…


「下ばかり見ないでもっと前を向いた方がいいよ濱口カリンちゃん」


「えっ?」


あたしは蒼騎君があたしの名前を知ってたことに驚いて


バッっと顔を上げた。


あたしの目には蒼騎君の笑顔が移った。


蒼騎君はあたしの目に浮かんでる涙を指で拭って

頭をポンポンと撫でてくれた。



「じゃあ、気をつけて迷子の子猫ちゃん(笑)」


そう言って保健室からでていった。



あたしはしばらく身動きが取れなかった。



噂の冷たい王子様と違って


蒼騎君は優しかった。