「少し熱いですかね? 暖房下げましょうか」 「そうですね……」 「というか、今日はもう終わりにしましょうか」 「そうですね……」 ノリの悪いいいともみたいな返し、あたし。 熱いどころか、ちょっと汗までにじんできちゃったよ。手に。 試験管、超滑る。 何か、話さなきゃ。 この気まずい沈黙を言葉で埋めなきゃ。 「あの」「あの」 先生とあたしの声がだぶる。 うわっ。最悪だ。 「どうぞ」「どうぞ」 「いや」「いや」 被りすぎでしょ!