廊下に出ると、遠くからイッチーが歩いてくるのが見えた。 イッチーはあたしの姿を見つけると、くるくるとバレリーナのように踊りながら近づいてきた。 「………」 「なにーなにー! ノノ!」 「いや、イッチーに普通に引いてる」 「いやん。冷たい」 イッチーはあたしの腕に自分の腕を絡ませる。 「ちょ、イッチー。胸に腕当たってる」 「いいじゃん。女同士だし」 「違うだろ」 あたしは芸人ばりに突っ込む。