「……苦い」 間を埋めるように、コーヒーに口をつけるとやっぱり苦い。 「?」 「先生、お砂糖ないの?」 「ないです」 「ミルクは?」 「ないなあ。浅倉さんは子供ですね」 「そりゃそうですよ! 高校生なんだから」 そうだよ。 先生とは違うんだよ。 酸いも甘いも知ってますみたいな顔して、苦いコーヒー飲んじゃってさ。 その瞬間、ぐいっと先生の顔が近づく。 先生の行動はいつも突然で読めない。