屋上につくと、腕が解放されて自由になった。


「何ですか?」

「……」

佐伯 恭冶は黙ってずっとあたしを睨んでいた。


たまに顔をぐっと近づけたり遠目で見たり、とりあえずあたしをにらみ続けていた。



「用がないならもどるから」

じゃあ、と言い残して帰れろうとしたら...



「お前さ、あれだろ」

「は?」

「昨日ぶつかった女だろ?鳳家主催のパーティーで」

「..!!!!!」

嘘、なんで
えじゃあこいつあのパーティーにいたの?


「でも聞いたことねーな、三浦なんて金持」

「あ、えと」

当たり前じゃない
三浦は母方の姓なんだから。
母は一般の人だったし。


あたしは言葉を失い、口をモゴモゴしていた。



「しっかし、お前があのときの女だったとはな、お前地味だし最初わからなかった」


佐伯恭冶は
くすくす笑ながらあたしをじろじろ見る


「じゃあ私はここで失礼いたします」

「あ、おい!俺は西園寺家の長男の西園寺恭冶!!お前は?」

「麗」

「苗字!」

苗字!と叫ぶ彼を無視し屋上をあとにした。




.....
どうしてあの西園寺家の長男がこんな学校に?!