土方が先に車を出しに行った。

あたしは飲み物を取りに行き、一口飲んでロビーに向かった。


やっと帰れる。
可愛らしく優しいお嬢様を演じ続けるのは疲れるわ。

あたしらしくいられないし何より
愛想振り回すのが嫌だわ。


頭の中で愚痴っていると
人にぶつかってしまった。


「あっ、すみません!」

「僕こそすみません」

そう一言交わして、あたしはその場を去った。


どこかでみたような…

まあいっか。


知ってるような感じがしたあたしだったけど
気のせいにして
土方の待つロビーまで向かった。