紅屑の記憶


「若いね〜
幸せにしておやりよ」


女性は笑って
リシナの肩に手を乗せた


「私達はそんな関係では…」


「まだなのかい!?
あまりまたせるんでないよ」


女性は高らかに笑う


「魔法が使えるお前さん
なら勝てるかも
しれないね……
私達の為にとは言わないよ
この子の為に
帰ってくるんだよ」


女性の言葉に
リシナは頷いた


「イヴをお願いします」


そう言ってリシナは
腕の中にいるイヴを見つめた


帰ってきたら
謝らないといけませんね


「………イヴを」


リシナはイヴを
女性に預け家を出た