紅屑の記憶


「何年でも待ちます
だって…約束しましたから…
傍にいると…離さ無いと…」



『……そう………
それがあなたの歩む道ね…』



そう言ってルアムは
笑顔を見せた


「ナシラ…すみません…」


リシナはナシラに
向き直り頭を下げる


「…兄弟なんですよ…
頭を上げて…」


ナシラは寂しそうに
リシナの肩を叩く


「何を言っても…
行ってしまうのでしょう…?
国の事は任せて下さい
私は一人では
ありませんから…」


そう言ったナシラの
声は震えていた