紅屑の記憶


『リシナ・セイレーン
としての人生を
捨てるのよ

それが全てを捨てる
という事…』


ルアムは右手を
リシナの目の前に差し出す


ルアムの手の平には
輝く玉のような光が
浮いていた


『これはイヴの魂…
魂は悪魔や魔剣、人間にも
必ずある…
肉体は魂を入れる
器にすぎないのよ』



「それで…私も肉体を
失うという事ですね」


リシナの言葉に
ルアムは頷く