紅屑の記憶


「…行かないで下さい!!
私の命でもなんでも
あなたにあげますから!!
イヴ!!」


リシナは必死に
イヴを抱きしめた


「私からこの子を
奪わないで下さい!!
ずっと傍にいると
約束したでは
ありませんか!!」


リシナの願いも
虚しくイヴは光と共に
消えてしまった



「………………」


リシナは呆然と
自分の両手を見つめる


「…さっきまで…
此処にいたんです…
確かに…いたのに……」


もう……温もりも
何も残っていない……