紅屑の記憶


「逃がしてなんか
あげませんから…
離しません絶対に!!」


リシナの言葉の一つ一つが
胸に染みてく…
愛しさで満たしていく…



「…リシナ…リシナは
沢山の人達に…愛…されてる

だか…らね…一人じゃないよ
いつか私…の事を…
良い…思い出…だったって…
思え…る…日…が来るから」



イヴはリシナの片口に
顎を置いた


「…私を…見つけて…
くれて…ありが…とう…
傍に……てくれ…
あり…とう…」


あぁ…まだ…伝えたい
事が沢山あるのに…


時間は待っては
くれないね…


「…愛し…る……」


そう言って涙を流した

月が明るい…
もう涙で滲んで
しまってるけど
本当に綺麗な月だ…


リシナの声が遠くで
聞こえる…