紅屑の記憶



「それは良かったです
ドレスなどは後でメイドが
仕立てに来るでしょう

私もパーティーの
準備があるので一時
傍を離れますが私とイヴの
心は何処にいても
繋がっています

その事を忘れないで下さい」



そう言ってリシナは
イヴのおでこに
優しく口づけた


「………リシナ……
ありがとう…」



そう言ってイヴは
笑顔を浮かべた


「城内は自由に
散歩して構いませんよ
ですが迷わないように
気をつけて下さいね」


そう言ってリシナは
イヴに背中を向け
扉へと歩きだした


「………………」


あ……行ってしまう…
ほんの少しの間…

たった数時間でさえ
リシナが傍にいないと
不安になる