紅屑の記憶



「今日私の誕生パーティー
なんです宜しければ
参加なさってくださいね

では私はこれで
挨拶をしに来た
だけですので」


そう言ってナシラは
イヴに笑顔を向けた


…………恐い…
この笑顔がいつか
憎しみへ変わる事が
とてつもなく恐い…


「………………」


「イヴ…私の兄です
大丈夫、恐い事なんて
ありませんから…」


そう言ってリシナは
イヴの頭を撫でた


リシナ……




私が恐いのは……
知られてしまう事なんだよ…