紅屑の記憶


「目が覚めたんですね
始めまして、私は
セイレーン王国第一王子
ナシラ・セイレーンと
申します」


リシナと同じ紫の髪に瞳
彼がこの国の王になる人間


「私が魔剣を探していた
のもナシラに頼まれて
いたからなんです」


リシナの言葉に
胸が嫌な音をたてる


じゃあこの人が……
私を狙っている
張本人………


「…………イヴさん
でしたか?
ゆっくりと休んで
くださいね」


ナシラの言葉に
イヴは頷いた


「……ありがとう……
ございます……」


声が自然と震える
ばれてしまわないだろうか…