紅屑の記憶


『……欲しい……
血が……欲しい………
欲しい…欲しい…欲しい』


そう言って魔剣は
何度も何度も人間や
動物の生き血を吸う



吸い尽くすまで
鞘には戻らず血に染まった


日に日にイヴは
人間の姿を保てず
剣の姿に戻ってしまっていた



そんなある日の事
人間を捨て剣の中で
眠るイヴを呼び覚ます
声が聞こえた


『……ダーイン・スレイブ』



んっ…………?
イヴはゆっくりと
目を覚ます