紅屑の記憶


「何かあったんですか…?」



イヴの言葉に商人は
曖昧な顔をした


「…おかしいんだよ
あの町は……
入荷した品物を町に
届けに来た時の話
なんだけどよ」


商人はそう言って
話し始めた


「品物を渡すはずの
あの町の商人が
3日前に亡くなってな…

その日は代わりの商人が
荷物を受け取りに
来るはずだったんだ
でも……」


商人は言葉を
詰まらせる