紅屑の記憶



「……思い出せない
のですか?」


リシナは心配そうに
少女を見つめる


「……はい…
私が誰なのか…
どうして此処にいるのか…
何も…分からない…」


少女は苦しげに
頭を抑えた


「無理に思い出さなくて
も構いませんよ
とりあえず此処を
出ましょう」


リシナは少女を
抱き抱え立ち上がる


ピカッ

立ち上がった時
砕けた氷の中に光が見えた