「~~でさ、……の…に…出るらしいんだ…」


新しい匂いのする教室内では、数人の男女がコソコソ話を始めていた。



元気そうな黒い男の子。
日本人形のような美しい女の子。
身体の大きいガキ大将のような男の子。
小さくて赤ちゃんみたいな顔をした男の子。



赤や青、緑や黄色など夏にふさわしいカラフルな色合いの服の中に、一人真っ黒い服が近付いてきた。



「………わっ!!」



「きゃあ!」
「うおぉぉぉっ!!」
「わぁ」
「ぶへぇ!」


突然の大きな声に顔を上げる4人。


目の前には、6年3組のクラスメイトである通称『れーじ』が不適な笑みを浮かべて立っていた。



「あっ…てめぇ、おどかすなよ!!」



4人、つまり『平太軍団』のリーダー格『平太』は真っ黒な顔を赤くしてれーじを思い切り睨んだ。



「まぁまぁ、平太君落ち着いて。ねっ?」


ぶよんぶよんの身体を揺らしながら、