「‥‥‥‥‥‥は‥はいっ」


俺の顔をじっと見つめて、嬉しそうに何度も頷く彼女を愛しく思い、ぎゅっと抱き締めてしまった。


すると彼女も遠慮がちに俺の背中に、きゅっと手を回してきた。


しばらくそうしていたら、気まずそうに彼女が沈黙を破った。


「わ‥‥わたし、本田明日香って言います!」


「‥‥‥‥‥‥あっそ」


「‥あ‥あの‥‥何て呼んだらいいですか?」


「‥‥‥‥‥なんでも」


「‥‥‥‥えっ‥と‥‥‥」


この空気を変えようと、一生懸命に話題を作ろうとする彼女。


でも俺の素っ気ない一言で会話は終わってしまう


「じゃ、俺帰るから」


「え‥あ、はい‥‥」



俺は彼女をプラネタリウムに置いて先に帰った。