INCOMPLETE A PICTURE BOOK




これは、束縛だ。


俺への束縛。


最低なことをした俺への罰だ。



これから先、緒方の頭から潤の声が聞こえなくなることはないだろう。


それが、代償。





すべてを思い出した、緒方への代償。




潤を犠牲にした、代償。





「そういえばさ、お前、翻訳家になりたいとかいってたな。今何やってんだ?」


「保健医」


「なんか頭よさそうだな」


こんな馬鹿なやつだからこそ、楽しかったんだな。


「でもやめたよ。本気で目指すよ。胸を張れなきゃ、意味が無いんだよ」


潤に顔を合わせる資格なんてない。
だからせめて、俺の生きている道を知ってほしい。


いつか、潤が自分の名前を目にしたとき、何を思ってもいい。


ただ、緒方という人物と一緒にいたという事実だけは忘れないでほしいから。