INCOMPLETE A PICTURE BOOK




謝りにきた。


そう言って、この前は酷い事言ってしまってごめん。と謝ればいいのに。


それは簡単に口にできる言葉でなかった。



「マネージャー!」


体育館からまどかを呼ぶ声がする。



まどかはボールを持っているんだ。


それはまだ部活中であることを示している。



「……行きなよ」


「うん……。もうすぐ終わるからよかったら待ってて」



そういって、あたしの返事を聞かないで体育館に戻って行った。



残されたあたしはまたそこから一歩も動かなくなった。いや、動けなくなった。





頭で考えるの苦手だ。


もともとあまり頭はよくなくて、無理矢理頭に知識を詰め込んだ。


そして一時的に詰め込んだ知識で、進学校であるここに入学した潤。



頭を使うことは苦手だし、嫌いだ。



世の中が、もっと単純ならよかったのに。



あたしがもっと素直で、幸せな子供だったらよかったのに。



両親が離婚なんかしてなければよかったのに。



なにを考えても後悔ばかり。



これはいちばん緒方に申し訳ない生き方だ。




あたしはどこまでも最悪なアホ女だった。