INCOMPLETE A PICTURE BOOK




「……何のことだ?」


緒方はしらばっくれる。

目を合わせてくれない。


――ヤベッ。悲しくなってきた



潤の目にまた涙が溜まってきた。
でも絶対に流せない。


「先生……あたし、思い出したの。お父さんの言葉」


驚いたように緒方が潤を見る。



――やっと見てくれた