そのまま月日は流れて、父が絵本の下書きを終えてすぐに亡くなった。 泣き崩れる母のもとにも駆け寄ってあげられない。 昔の小さな僕には傍にいることしかできなかった。 “死”というものの意味がよく分からず、ただ泣き叫ぶ母の傍にいただけ。 今なら、その肩を抱いて、「母さん……」て呼ぶことができる。 一緒に泣き叫ぶことだってできるんだ。