INCOMPLETE A PICTURE BOOK




潤も緒方も止められなかった。



そして、弥太郎が、絵本を見たことを後悔しないように祈った。




「……っ、やめろ。怪我する」



緒方がようやく弥太郎を止めた。



緒方に手を捕まれ、窓枠を叩けなくなっても、弥太郎は叫び続けた。





“お父さん!”




って。