でも弥太郎はその時、絵本を開くことができなかった。 怖かったんだ。 父親を知るのが。 幼い頃の自分の記憶と違っていたら…… そう考えると、すごく怖い。 そして今に至る。 「風景はうちのまわりそのものです」 今まであるいてきた風景は、潤たちには見覚えのないありきたりな風景だったが、 弥太郎にはなつかしい風景のようだった。