死期を悟った父は、まだ幼い弥太郎に、この先自分が教えていかなければならないことを教えられないことも悟った。



そして伝えるにはやはり絵本だと思った。




書くときにまとまらない文章たち。

伝えたい事が多すぎたんだ。


描きたい絵が描けない。


心に残る絵なんて分からなかったから。



それでも父は書いた。


弥太郎に読んで欲しかったから。








でも叶わなかった。




下書きを終えた時点で、あの世に旅立った。