潤は夢を見ていた。 昔の幸せな時の夢を。 そして初めて父親からこの噂のことを聞いた日の夢を。 「絶対に誰かを、連れていってはいけないよ」 父はそう言った。 ねぇ、どこに連れていったらダメなの? なんのことなの? もしかして異世界のことを言ってるの? それなら、緒方先生を連れていったのは間違いなの? そんなこと、思いたくないよ。