森に入れば、くろずきんのテンションがあがった。 「も、も、森っていいですよね!」 ごめん、森の魅力が分からない。 潤はくろずきんをかわいそうなものを見る目でしか見られない。 緒方にいたっては、眉間にしわを寄せて、何かを考えている。 たぶんこう考えている。 ―どうやってこんなかわいそうな子を病院に連れていこうか と。