INCOMPLETE A PICTURE BOOK




「ねぇ、先生」


まだ緒方の仕事がひと段落しないため、現在待機中。


「なんだ?」



作成中の、保健室利用者のリストから顔を上げないで返事をする。



「あたし、何か大事な事を忘れてるようなきがするの」



その言葉に緒方の手が一瞬とまる。


気付かせてはいけない。



「気のせいじゃない?たいしたことじゃないのに、すごい大事かもって思うことあるでしょ?」



「……そうだね」



なんかはぐらかされたような気がする。