カバンを持って、つながれた手を引っ張ってみる。
「誠也帰ろ?」
「おぅ!」
廊下を歩き、階段を降りて、昇降口で靴に履き替え、外に出る。
いつもの夕焼けを、いつもの道を歩きながら、好きな人と歩く。
こんな事が幸せだった。
20分程度で僕の住む家の近くに着き、誠也と別れた。
「ただいま」
「おかえり〜」
家に着くと、母と2歳になる弟が迎えてくれる。
まっすぐ部屋に向かい制服をかけて部屋着に着替え、リビングに行く。
「ただいま〜」
父が帰ってきた。
「おかえり」
今日は月曜日、父はサッカーの練習だよね。
