少し落ち着いて、また優子が口を割る。


「ていうか、豆太って今身長何cm?」

「その呼び方やめろ」

「西野君の身長、私も気になるなぁ」


ぽつりと言う坂口。すぐに俺は口を開いた。


「163」

「ちっさ!高1のくせに!」

「うるせーよお前個人差って知らねぇのか」

「どうせ保健体育で習ったとか言うんでしょ?」

「そういえば亮太、中学生の頃、保健体育の教科書しか持ってきてなかったよね」

優子の言葉の後の真由のこの一言に、
俺はずっと持っていたパック牛乳を握力でぐしゃっと潰してしまう。

「第二次成長期の所ばっかり読んでたし!」


えっ、と少し引いた坂口の顔が俺の視界に入る。
何言ってんだお前ら、なんて言う気力もなかった。