「あの馬鹿…!!」

「おい、もうすぐ葬式始まるぞ。」

「橘、わざわざ来てくれたのか。ありがとう。」

「いいよ、別に。親友の彼女の葬式なんだからさ。」

「でもあいつ、お前にもたくさん迷惑かけたから、てっきり来ないと思ってたよ。」

「確かに、めちゃくちゃ迷惑だったな、お前らは。」

「…」

「でもな加藤、今日は長い長い物語の最終話なんだ。今日の葬式が終われば、やっとこの物語も終止符が打たれる。あの悲劇だって、永遠に封印される。この物語に関わった奴はみんな、この葬式には出なきゃなんねぇんだよ。」

「お前…」

「だから、さっさと行くぞ。」

「…嗚呼、分かったよ。」


ふと、空を見上げれば雲一つなくて、あいつがいなくても綺麗な空が少し憎かった。