先輩を睨みつけてると奥からカツカツときれいな音を立てて誰かが近寄ってきた。
「何?あんた?」
「結、大丈夫?」
無視して話す美里。
先輩が美里の肩を押す。
「ちっ、触ってんなよブス。」
マジですか…?
美里がめちゃどすのきいた声でしゃべりだす。
「えっ…?」
さすがの先輩たちも動揺しだした。
「あ、先輩方はあたしの中の階級的に、う~ん…ミジンコ!ミジンコ以下なんで、ためでいいですか?うん、いいよね。」
あはっと笑う美里はほんとに楽しそうで可愛いんだけど声は低くて…怖い。
「第一いわせてもらうとブスが美人にブスって言ったら単なるひがみじゃん?あ~…長所ないじゃん!!
ってか、この間市希先輩を呼び捨てにしたらきもいって言われたのを結にあたるってさぁ~ないわぁ…。存在価値がマイナスになっちゃうよ?…いいの?」
泣き目な先輩たち。
その顔さえも私の脳をつつくものがある。
こ、この毒舌は…!!
「美里ってもしかして、幼稚園の頃いじめられてた私を助けてくれた美里ちゃん!?理事長の娘の……。」
「やっと思い出したの?」
「…ごめん!!」
まさか私が謝ることになるとは…。

