頭の中で神南の言葉を整理する。 俺はチョコレート――根本的に甘いものがだめで、でも神南は俺が好きすぎて作ったケーキは激甘。 可愛いことを言ってくれてはいるが、神南の表情は心なしか威圧的に感じる。 俺はチョコレートの匂いにまみれたこの部屋で、チョコレートケーキ(しかもホール)を食べなければいけない、ということか…(しかも全部)。 『誰か…』 なんて、助けを求められるはずもなく。