思わず立ち上がる。 そこに立っていたのは… 「まだいたんだ、稚早」 「…あんたこそ」 朔弥だった。 “脱力”するってこういうことなのかな。 力無くまた座りこんだ。 あたしの気持ちを知ってか知らずか、朔弥はあたしのところに歩いてくる。 いつの間にか、教室にはあたしと朔弥の2人だけになっていた。 「何してんの?」 「朔弥の方こそ何してんのよ」 「俺は…」 そう言ったところで朔弥は机の上の箱に気づいたように、まじまじとそれを見た。