「梓真ならもう帰ったよ」 今日は先生たちの会議で授業も少なかったらしくて、あたしが学校についた時にはもう放課後だった。 終わってすぐに先輩は帰っちゃったみたい。 まだ人がいっぱいの、先輩の教室の前で肩を落とした。 「…ありがとうございます」 とぼとぼと自分の教室に戻る。 あたし今日何しに来たんだろ…。 椅子に座りこんでため息をついた。 そういえばため息つくと幸せ逃げるんだっけ? 一瞬でもいいから先輩に会えたらそれだけで幸せなのにな。 その時、教室のドアがガラッと開いた。